広島県福山市 なかむら歯科クリニック 歯科衛生士 塩飽
今回は、多くの方が経験する「歯がしみる」という症状について、その原因からご自身でできるケア方法までを詳しく解説していきます。歯がしみる原因は様々ですが、適切な対処を行うことで症状の緩和や改善が期待できます。この記事では、歯がしみるメカニズム、考えられる疾患、具体的な対策、歯科医院での治療法などを網羅的にご紹介します。ぜひ、この記事を参考にして、快適な口腔環境を取り戻してください。
目次
- 歯がしみる原因とは?
- 自分でできる歯がしみる時のケア
- 歯科医院で行う歯がしみる時の治療法
- 歯がしみるのを防ぐための予防策
- 歯がしみるに関するQ&A
- まとめ
1. 歯がしみる原因とは?
歯がしみる、いわゆる「知覚過敏」は、冷たいものや熱いもの、甘いものなどが触れた際に、歯に一過性の鋭い痛みが生じる状態を指します。この症状は、歯の表面を覆うエナメル質が何らかの原因で薄くなり、内部の象牙質が露出することで起こります。象牙質には、神経につながる微細な管が無数に通っており、外部からの刺激が直接神経に伝わりやすくなるため、痛みを感じやすくなるのです。
1.1 知覚過敏の主な原因
知覚過敏を引き起こす原因は様々ですが、主なものとして以下の要因が挙げられます。
歯周病:歯周病が進行すると、歯茎が下がり、歯の根元部分が露出します。歯の根元はエナメル質に覆われていないため、象牙質が直接刺激を受けやすくなります。
歯ぎしり・食いしばり:歯ぎしりや食いしばりは、歯に過剰な負担をかけ、エナメル質を摩耗させます。また、歯と歯茎の境目に微細なひび割れを生じさせ、知覚過敏の原因となることがあります。
誤ったブラッシング:硬すぎる歯ブラシで強く磨いたり、研磨剤が多く含まれた歯磨き粉を使用したりすると、エナメル質が削れてしまうことがあります。特に、歯と歯茎の境目はエナメル質が薄いため、注意が必要です。
酸蝕歯:酸性の飲食物(炭酸飲料、柑橘類、お酢など)を頻繁に摂取すると、エナメル質が溶け出すことがあります。これを酸蝕歯といい、知覚過敏の原因となります。
加齢:年齢を重ねると、歯茎が下がり、歯の根元が露出することがあります。また、長年の使用により、エナメル質が徐々に薄くなることも知覚過敏の原因となります。
ホワイトニング:ホワイトニング剤に含まれる成分が、一時的に歯の神経を刺激し、知覚過敏を引き起こすことがあります。
虫歯:虫歯が進行し、エナメル質を破壊して象牙質に達すると、冷たいものなどが触れた際に痛みを感じることがあります。
1.2 知覚過敏と間違えやすい疾患
歯がしみる症状は、知覚過敏以外にも、虫歯、歯髄炎、歯根破折などの疾患によって引き起こされることがあります。これらの疾患は、放置すると症状が悪化する可能性があるため、自己判断せずに歯科医院を受診し、適切な診断を受けることが重要です。
虫歯:虫歯は、初期段階では自覚症状がないことが多いですが、進行すると冷たいものや甘いものが触れた際に痛みを感じるようになります。
歯髄炎:歯髄炎は、虫歯が進行して歯髄(神経)に炎症が及んだ状態です。激しい痛みを伴うことが多く、夜間に痛みが強くなる傾向があります。
歯根破折:歯根破折は、歯の根が割れた状態です。噛むと痛みを感じたり、歯茎が腫れたりすることがあります。
2. 自分でできる歯がしみる時のケア
歯がしみる症状を緩和するために、ご自身でできるケア方法をいくつかご紹介します。これらのケアは、あくまで一時的な対処法であり、症状が改善しない場合は、歯科医院を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
2.1 知覚過敏用の歯磨き粉を使用する
知覚過敏用の歯磨き粉には、硝酸カリウムや塩化ストロンチウムなどの成分が含まれており、これらの成分が象牙細管を封鎖し、神経への刺激をブロックする効果があります。歯磨き粉を選ぶ際は、これらの成分が含まれていることを確認しましょう。
また、歯磨きをする際は、力を入れすぎず、優しく丁寧に磨くことが大切です。硬い歯ブラシの使用は避け、毛先が柔らかい歯ブラシを使用しましょう。歯磨きの時間は、1回あたり2~3分程度が目安です。
2.2 フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用する
フッ素には、エナメル質を強化し、酸から歯を守る効果があります。フッ素入りの歯磨き粉や洗口液を使用することで、エナメル質の修復を促進し、知覚過敏の症状を緩和することができます。
歯磨き粉を選ぶ際は、フッ素濃度が1450ppm(日本で販売されている歯磨き粉の上限値)のものを選ぶと、より効果的です。洗口液を使用する場合は、使用方法を守り、歯磨き後に行うようにしましょう。
2.3 食生活を見直す
酸性の飲食物を頻繁に摂取すると、エナメル質が溶け出す酸蝕歯になりやすくなります。炭酸飲料、柑橘類、お酢などを控えるようにしましょう。また、食事をする際は、だらだらと時間をかけずに、時間を決めて食べるようにしましょう。食後すぐに歯を磨くと、エナメル質が柔らかくなっているため、30分程度時間を置いてから磨くようにしましょう。
2.4 歯ぎしり・食いしばりの癖を改善する
歯ぎしりや食いしばりは、歯に過剰な負担をかけ、エナメル質を摩耗させます。日中に歯ぎしりや食いしばりをしていることに気づいたら、意識的にやめるようにしましょう。就寝中の歯ぎしりが気になる場合は、歯科医院でマウスピースを作製してもらうことをおすすめします。
マウスピースは、就寝中に装着することで、歯ぎしりや食いしばりによる歯への負担を軽減することができます。マウスピースには、ソフトタイプとハードタイプがあり、症状に合わせて適切なタイプを選択します。
2.5 知覚過敏抑制効果のある食品を摂取する
乳製品に含まれるカルシウムや、緑茶に含まれるフッ素には、歯を強くする効果があります。これらの食品を積極的に摂取することで、知覚過敏の症状を緩和することができます。
ただし、緑茶にはタンニンが含まれており、歯に着色する可能性があるため、摂取量には注意が必要です。

3. 歯科医院で行う歯がしみる時の治療法
ご自身でのケアで症状が改善しない場合は、歯科医院を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。歯科医院では、知覚過敏の原因や症状に合わせて、様々な治療法を提供しています。
3.1 薬物療法
露出した象牙質に、薬を塗布して象牙細管を封鎖し、神経への刺激をブロックする方法です。フッ化ナトリウムや硝酸カリウムなどが用いられます。
3.1.1 薬剤塗布のメリット・デメリット
メリット:比較的安価で、短時間で治療が完了する。
デメリット:効果が一時的であり、症状が再発する可能性がある。
3.1.2 治療期間
1回の治療で効果を感じることもありますが、症状によっては数回の通院が必要となる場合があります。
3.2 コーティング
露出した象牙質を、歯科用プラスチック(レジン)でコーティングする方法です。象牙質を物理的に保護することで、刺激が神経に伝わるのを防ぎます。
3.2.1 コーティングのメリット・デメリット
メリット:薬剤塗布よりも効果が持続する。
デメリット:コーティングが剥がれることがある。
3.2.2 治療期間
1回の治療で完了することがほとんどです。
3.3 レーザー治療
レーザーを照射することで、象牙細管を封鎖し、神経の興奮を抑制する方法です。
3.3.1 レーザー治療のメリット・デメリット
メリット:痛みが少なく、麻酔が不要な場合が多い。
デメリット:費用が高額になることがある。
3.3.2 治療期間
1回の治療で効果を感じることもありますが、症状によっては数回の通院が必要となる場合があります。
3.4 歯周病治療
歯周病が原因で歯茎が下がり、知覚過敏が起きている場合は、歯周病治療を行います。歯周病治療には、歯石除去、歯周ポケット掻爬術、フラップ手術などがあります。
3.4.1 歯周病治療のメリット・デメリット
メリット:歯周病の進行を抑制し、歯の寿命を延ばすことができる。
デメリット:治療期間が長く、費用も高額になることがある。
3.4.2 治療期間
歯周病の進行度合いによって異なりますが、数ヶ月から数年かかることがあります。
3.5 根管治療
知覚過敏の症状が重度で、他の治療法では改善が見られない場合は、根管治療を行うことがあります。根管治療は、歯髄(神経)を除去し、根管内を清掃・消毒した後、薬剤を充填する方法です。
3.5.1 根管治療のメリット・デメリット
メリット:痛みを根本的に取り除くことができる。
デメリット:歯の寿命が短くなる可能性がある。
3.5.2 治療期間
数回の通院が必要となる場合があります。
3.6 詰め物・被せ物
虫歯や外傷などで歯が欠けたり、ひびが入ったりしている場合は、詰め物や被せ物で歯を修復することで、知覚過敏の症状を改善することができます。
3.6.1 詰め物・被せ物のメリット・デメリット
メリット:歯の形態や機能を回復させることができる。
デメリット:詰め物や被せ物が外れることがある。
3.6.2 治療期間
1~2回の通院で完了することがほとんどです。
4. 歯がしみるのを防ぐための予防策
日頃から予防を心がけることで、歯がしみるのを防ぐことができます。
正しいブラッシング:力を入れすぎず、優しく丁寧に磨くことが大切です。硬い歯ブラシの使用は避け、毛先が柔らかい歯ブラシを使用しましょう。
フッ素入りの歯磨き粉を使用する:フッ素には、エナメル質を強化し、酸から歯を守る効果があります。
食生活を見直す:酸性の飲食物を控えるようにしましょう。
歯ぎしり・食いしばりの癖を改善する:日中に歯ぎしりや食いしばりをしていることに気づいたら、意識的にやめるようにしましょう。就寝中の歯ぎしりが気になる場合は、歯科医院でマウスピースを作製してもらうことをおすすめします。
定期的な歯科検診:定期的に歯科検診を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。
5. 歯がしみるに関するQ&A
Q1. 知覚過敏は自然に治りますか?
A. 知覚過敏は、自然に治ることはありません。適切なケアや治療を行わないと、症状が悪化する可能性があります。
Q2. 知覚過敏用の歯磨き粉は、どのくらいで効果が出ますか?
A. 知覚過敏用の歯磨き粉は、継続して使用することで徐々に効果が現れます。通常、2週間程度で効果を感じ始める方が多いようです。
Q3. 歯医者さんでの治療は痛いですか?
A. 治療内容によって異なりますが、麻酔を使用することで痛みを軽減することができます。
Q4. 知覚過敏は、妊娠中に悪化しやすいですか?
A. 妊娠中は、ホルモンバランスの変化により、歯茎が炎症を起こしやすくなるため、知覚過敏が悪化することがあります。
Q5. 歯がしみる場合、冷たいもの以外にも熱いものや甘いものでも痛みを感じますか?
A. はい、知覚過敏の場合、冷たいものだけでなく、熱いものや甘いもの、酸っぱいものなど、様々な刺激で痛みを感じることがあります。
6. まとめ
今回は、歯がしみる原因から、ご自身でできるケア、歯科医院での治療法、予防策までを詳しく解説しました。歯がしみる症状は、多くの方が経験する身近な症状ですが、放置すると日常生活に支障をきたすことがあります。
この記事を参考にして、適切なケアを行い、快適な口腔環境を取り戻してください。もし、症状が改善しない場合は、自己判断せずに歯科医院を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

マウスピースについて
こんにちは。福山市 なかむら歯科クリニック 歯科衛生士の富田です。
みなさんは、マウスピースを使った事がありますか?
今回は、マウスピースのお手入れ方法についてご紹介していきます。
マウスピースを清潔に保つために、食事や飲み物を飲む時にはマウスピースを外しましょう。装着したまま飲食をすると、マウスピースに汚れが溜まり、虫歯や歯周病のもとになったり、マウスピースが破損したりします。水を飲むだけならマウスピースを装着していても構いませんが、砂糖の入っているジュースなどは、虫歯のリスクが高くなります。食事の後は、歯磨きをしてからマウスピースを装着すると、より清潔です。
汚れが気になる方は、歯を磨く歯ブラシとは別の歯ブラシを用意していただき、マウスピース専用の洗浄剤、もしくは中性洗剤•水洗いで汚れを取り除いてください。
お湯での洗浄は控えてください。変形の原因になります。使用後は必ず洗いましょう。
マウスピースを外したら、専用のケースにしまいましょう。ケースにしまうことで、ホコリがついたり、破損したりといったリスクが防げます。ケースにしまう前には、水分をきちんと拭き取ることを忘れずに。水分がついたままケースで密閉すると、カビが生える可能性があります。雑菌がついたままのマウスピースを口に入れるのは気持ちが悪いですよね。

【注意事項】
•噛んで装着はしないでください。変形の原因になります。
•マウスピースは消耗品ですので、定期的な作成が必要になります。また、くいしばりの力が強い方は破損を招きやすいです。
•保険治療では、3,000〜3,500円の費用に対して、6カ月間内での再作成は、国では認められていません。(保険外治療の場合は約10,500円で随時再作成可能です)
•破損した場合の修正•修理は、基本的にはできませんのでご了承ください。
•マウスピースを装着した状態での、飲食•会話はお控えください。

気になることがあれば、お気軽にお声がけください。
福山市 なかむら歯科クリニック 歯科衛生士 富田
