歯周治療は1回で終わらないの?なぜ回数がかかるの?/子どもが歯をぶつけて抜けた・折れたとき、どうしたらいい?

歯周治療は1回で終わらないの?なぜ回数がかかるの?

福山市医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック 歯科衛生士 小澤です。

歯石除去したりするのに何回も通院が必要だったりすると、「1回で終わらないのかな?」「どうして何回も回数がかかるのかな?」など疑問に思われることもあるのではないでしょうか?

歯周治療に回数がかかるのには理由があります。

歯周治療は原因を知り理解すること、原因を取り除くこと、再発を防ぐための患者指導など多岐にわたります。

歯周病の症状・原因は主に、

・歯周ポケットが深い

・歯ぐきが腫れている

・歯ぐきから出血がある

・歯がぐらぐらしている

・歯ぐきの中に歯石がついている

・歯磨きによる清掃が不良になることで歯周病の原因となる細菌が付着・停滞している

・不正咬合

などなど…

歯科衛生士は歯周病の原因となる細菌や歯石を洗浄・除去し、それにより歯周ポケットの数値に変化があるか、出血は治まっているか、歯ぐきの腫れは治まっているか…などをチェック・評価します。

そして、清掃不良のところの清掃の仕方をお伝えし、ご自身のブラッシングで日々のケア、歯周病の原因を取り除くコントロールができているかをチェック・評価します。

(歯周病の治療は歯科医師・歯科衛生士の役割だけでなく、患者さん自身の協力、患者さん自身でできるケアを継続して行っていただくことが非常に重要になります。)

また、歯ぐきの中の歯石は非常に硬く、見えないところに付着している歯石を指先の感覚で触知しながら手探りで除去していくため歯石の付着状況によっては複数回に分けて除去していきます。

歯石を除去した後も、歯石を除去したことによって歯ぐきの腫れや出血などの炎症症状が消失しているかなどを再度チェック・評価し、歯石の取り残しがないかなどを確認していきます。

歯ぐきの炎症の程度にもよりますが、歯周治療後に歯ぐきが治癒するには最低でも2~4週間以上かかり、この期間を待って歯ぐきの状態を評価するために期間もかかります。

歯石を除去すると言う行為は、実はクリーニング・お掃除をしているのではなく、歯ぐきの病気の原因を除去するための重要な治療なのですよ。

お口の中の健口状態や歯周病の状態に応じて回数がかかってしまうことがありますし、歯周病の治療は歯科医師や歯科衛生士の専門的な治療も重要ですが、患者さん自身が歯周治療後再発をしないようにセルフケアができることが大きく影響します。

きっと「ちょっと掃除してもらったらいいんよ」という気持ちで来院されている方もいるかと思います。

ですが、1~3ヶ月に1回の定期的な予防治療や1か月に数回の歯周治療よりも、1日2~3回の歯磨きで隅々まで清潔にブラッシングをするほうが歯周病治療に大きくいい影響を及ぼしますし、毎日の歯磨きこそが歯周病を再発・悪化させない治療になるんですよ!

患者さんであるあなた自身が自分のお口の健口の主治医なんです。

もし歯周治療やお口の中のことについてわからないことや困ったことがあれば遠慮なくご相談くださいね!

福山市 医療法人幸美会

なかむら歯科クリニック

歯科衛生士 小澤

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子どもが歯をぶつけて抜けた・折れたとき、どうしたらいい?

子どもが歯をぶつけて抜けた・折れたときの4つのポイント

~慌てない!正しい応急対応で歯を守ろう~

福山市医療法人幸美会 なかむら歯科クリニック トリートメントコーディネーター笠原です。

子どもは活発に遊ぶ中で、転んだりぶつけたりして「歯が抜けてしまった」「歯が折れてしまった」という事故は決して珍しくありません。

そんなとき、大切なのはいかに正しく歯を保存し、できるだけ早く歯科医院に行くかです。

誤った対応をしてしまうと、元に戻せるはずの歯がダメになってしまうことも……。

今回は、子どもの前歯などが抜けたり折れてしまったときの“4つの大事な管理ポイント”をお伝えします。

【1】歯は絶対に「捨てない」

「どうせ抜けたから」と思って歯を捨ててしまうのは絶対にNG!

実は、抜けた歯(特に永久歯)は、適切に保存して早く処置すれば元の場所に戻せる可能性があります。折れた場合でも、破片が再接着できることがあります。

どんな状態でも、まずは歯を持って歯科医院へ!

【2】抜けた歯は「洗ったり拭いたりしない」

歯が抜けたとき、血や土で汚れていると、つい洗ったりティッシュで拭いたりしたくなるかもしれません。

でも、これは絶対にやってはいけない対応です。

歯の根っこの表面には「歯根膜(しこんまく)」というとても大切な細胞がついています。

この細胞が生きているかどうかで、抜けた歯が再びくっつくかどうかが大きく左右されます。

水道水で洗ったり、布やティッシュで拭き取ったりすると、その歯根膜が傷ついたり、乾燥して死んでしまったりするリスクがあります。

◎どうするのが正解?

  • 汚れていてもそのまま保存(最優先は乾燥させないこと)
  • もしどうしても洗う必要があるときは、
    • 牛乳(無調整が望ましい)にそっと浸す程度に
    • 生理食塩水があればベスト
    • 拭いたりゴシゴシ洗ったりはNG

【3】歯の「根っこ(歯根)」には触らない

歯を持つときは、歯の白い部分(歯冠)だけを持ちましょう。

歯の根(歯根)には、先ほどの歯根膜がついています。これを傷つけたり、触った手で細菌をつけてしまうと、歯が戻せる可能性が下がってしまいます。

触るときは「持つ場所」に注意!

【4】歯を「乾燥させない」

歯をティッシュやハンカチに包んでそのまま持ち運ぶのはダメです。乾燥すると歯根膜が死んでしまい、歯の再生が難しくなります。

以下のどれかで「乾燥させないように保存」してください

  • 牛乳(常温でOK)に浸ける
  • 生理食塩水に浸ける
  • 専用の歯牙保存液(学校や保育園にある場合あり)

【まとめ】まずはすぐに歯科医院へ!

子どもの歯の事故は突然起こりますが、落ち着いて対応すれば助けられる歯もたくさんあります。

🔑 応急管理の4原則 🔑

  1. 捨てない!
  2. 洗ったり拭いたりしない!
  3. 歯の根には触らない!
  4. 乾燥させない!

そして何より大切なのは、できるだけ早く歯科医院へ行くこと。

30分以内が理想、遅くとも1時間以内には受診しましょう!

子どもが転倒したり顔をぶつけることは防ぎきれないもの。だからこそ、いざというときの知識が命を守るのと同じように、歯を守る力になります。

どこに行こう?と迷うことがないよう、日頃からかかりつけ医を持っておくのも大事ですよ!

福山市 医療法人幸美会

なかむら歯科クリニック

トリートメントコーディネーター 笠原

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